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熱中症

毎年熱中症と診断される方はおよそ5万人と言われています。年間死亡者数は500人前後にのぼり、7割以上が65歳以上の高齢者となっています。
熱中症は、暑さから体温が上昇すると、発汗が増え身体から水分と塩分多く失われ、高温に対する体温調整が破綻し、脳や内臓まで障害されてしまいます。
熱中症Ⅰ度:意識がしっかりしている状態で、めまい、大量の発汗、あくび、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)といった症状が現れます。この場合は、涼しいところで安静を保ち、体表を濡らして風を送ったり、アイスバッグなどで体表を冷やしましょう(体表冷却)。スポーツドリンクなど水分と塩分を少しずつ持続的に飲ませましょう。
Ⅰ度と判断してその場で経過観察をしていても、容態が変わることがあります。必ず一人にしないで保護観察者が付き添うようにしましょう。容態が変化したときはためらわずに病院に搬送しましょう。
熱中症Ⅱ度:集中力や判断力が低下し、頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感が現れます。病院への搬送を必要とします。Ⅰ度と同様に体表冷却に勤め、水分の補給を行いますが、経口摂取が難しいときは点滴が必要です。Ⅱ度からⅢ度へ移行することもあるので、厳重な管理が必要です。
熱中症Ⅲ度:中枢神経症状(意識障害、ふらつきなどの小脳症状、痙攣発作)、肝・腎機能障害、出血傾向などの血液凝固異常のいずれかがあれば、Ⅲ度と診断されます。入院による治療が必要で、体表冷却に加え、血管内冷却などの体温管理や呼吸、循環管理や血液凝固異常に対する治療を要します。命に関わる状態です。

日頃から熱中症に陥らないように、こまめに水分の補給と休息を確保しましょう。屋内では冷房を上手に使って高温対策に努めましょう。熱中症で尊い命を犠牲にしないために。

2015/07/13/
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